TOEICの試験は、リスニングが200問、リーディングも200問の約2時間のテストですが、リーディングは時間制限との戦いです。リスニングは45分、リーディングは75分です。
リスニングの時間には問題について説明の放送が毎回流れますが、その30秒程の間に75分では厳しいリーディングの問題のページを先に開けて数問やってしまう、という裏ワザを聞いたことがありますか?
そんな裏ワザを指導していると、ある講師の方から聞いたのはもう何年も前のことですが、「そんなこと言ってしまって本当に大丈夫なんですか??」と驚いたものです。やってはいけないとは書かれていない、という返答でしたが、小心者の私は積極的にそんな裏ワザを薦めたら、試験監督によっては生徒さんが注意を受けて失格になることもあるのでは??とハラハラしたものです。なので、生徒さんにはそんな情報があるということだけをそのまま紹介するようにしてきました。
ところが、2012年9月の公開テストから、これがカンニング行為や携帯電話の使用と並んで正式に禁止行為として加えられました。以下が禁止行為に追加された項目です。
「リスニングテスト中にリーディングセクションの問題文を見る行為、またはリーディングテスト中にリスニングセクションの問題文を見る行為」
特別なお知らせとして予告や発表があったわけではなく、いつの間にか禁止行為が一つ増えてた、そんな感じなので、これを必殺技として使ってきた方たちは参ってしまいますよね。でも、そんな裏ワザを大々的に禁止しなければならなくなるとは、協会側も思ってなかったでしょうし・・・。(TOEICを作っているのは日本の文部省ではなく、アメリカの世界最大の非営利テスト開発機関 Educational Testing Service です。)
そもそもTOEICは英語がどれぐらいできるかを査定する試験だったはずなんですが、加熱してこんなことに・・・。たかが英語の試験、されど英語の試験、という感じですね。
こういう裏ワザの話を聞くと、アメリカ独立記念日恒例のホットドッグ早食い大会で日本人がチャンピオンになったのを思い出します。何度も優勝している方らしいので、ご存知の方も多いのではないのでしょうか?私はテレビで見たのですが、大きな体格の男性たちが「まだまだいけるぞ~」と言わんばかりに拳を上げたりしながらすごい量のホットドッグを食べていて、見物客の歓声が上がる中、なんと痩せ型の日本人の男性が訓練されつくした裏ワザで優勝しました!
その裏ワザとは、ホットドッグのパンとソーセージを分解し、パンを用意されたコップの中の水につけて先に食べ、ソーセージは1,2,3と3回で噛み切って飲み込むという計算されつくしたものでした!確かに、ホットドッグを分解するのは禁止事項ではないんだと思います。他の大きなお兄さんたちがショーのノリでやっていた中、その方はうつむき加減で必死に黙々と作業をこなしていました。その姿勢があまりに本気すぎて私はちょっとびっくりしてしまいました。
TOEICの試験対策でさえ、あまりに裏ワザに凝ったり必死になりすぎてる姿を見ると、私としてはちょっと不安になってしまいます。もっともっと楽しいはずのにな、と惜しいような気持ちになります。TOEICの試験には確かにテクニックはあります。実際に英語を運用する際に使えるテクニックもありますので、対策するのが楽しいと感じてもらえればと願っています!
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